Start 2/5/2000

　その23

「アメリカ大統領選挙〜現地からの生情報（9）〜」
雪、雪、雪！


現在２０００年１２月１２日午前６時３６分。昨日で大学の学期末考査が終了し、事 実上冬休みに突入するはずだったのだが、大雪のため学校が休校になってしまった。 深いところで３０〜４０センチは積もっている。 温も半端ではない。昨日昼間の時点で１２度。といってももちろん華氏 (Fahrenheit)であって摂氏(Centigrade)ではない。摂氏に換算すると約マイナス１０ 度。真夜中だとそれより下がるのは明らかだ。この地域が全米で最も寒い地域のひと つであると言われる理由がよく分かった。

昨晩も近くのトレーニングジムに行ってきたのだが、トレーニングが終わって外へ出 たときのその寒さと言ったら・・・近くにいたアメリカ人があまりの寒さに'Oh, sh__! Oh,s__t!'と繰り返し叫んでいたが（下品な言葉なのでとりあえず伏字）、そ れも納得してしまうぐらい想像を絶する寒さである。

一方、大統領選はいまだに決着がつかない。季節は着実に真冬に移りつつあるのに、 選挙のほうは全く変化の兆しが見られない。早くけりをつけてすっきりした気持ちで クリスマスを迎えたいと思うのが大多数のアメリカ人の思いである。ゴアさん、そろ そろ撤退してはいかが？


川原の目で見るアメリカ人の短所（２）


では前回の続きに移ろうと思う。

３．負けを認めない・・・勝負事において自分が勝てば、「実力があるから当然 だ。」と自慢する。「たまたま運がよかったんですよ。」といような謙虚なことは めったに言わない。だが、負ければ「ふん！おまえは今日は運がよかっただけだ よ。」である。

敗北という事実を謙虚に受け入れるのは、自分がお山の大将でなくては気がすまない アメリカ人にとっては耐えがたいことなのだろう。ゴア氏の言動を見ていればよく分 かっていただけると思う。

４．自己顕示欲が強い・・・とにかくアピールすることが好きな人が多い。これは個 性をいかんなく発揮しようとする長所とも言えるのだが、時としてそれが行き過ぎて 鼻に付くことがある。

一例として、今回の大統領選に対するクリントン大統領のコメントを紹介しよう。合 衆国憲法で大統領３選が禁止されているため来年１月、２期目の任期を終えて引退す る事実をふまえて、「もし憲法に規定が無ければ今回の大統領選に出馬して、間違い なくブッシュ氏を破っていただろう。」 との一言。 自分のスキャンダルのために国民の民主党離れが加速した事実を棚上げにして、傲慢 と言うか自信過剰というか・・・

５．根強い人種差別意識・・・多民族国家のアメリカで特に問題になるのは、今なお 根強い白人の黒人に対する差別意識である。もちろん人によるのだが、いまだに白人 以外は人間でないというような思想を持つ人がいるのには正直驚きを隠せない。

担当している日本語のクラスでのことである。白人の女生徒が黒人の男子生徒に言っ た。「私のパパはね、もし私が黒人の男と付き合ったらそいつを殺すって言ってるわ よ。」本人は冗談だと言うが、思っていないことが口に出るわけがないし、彼の目前 でそのような言葉を発すること自体、彼女の人品が問われると思う。

今回の大統領選でも、投票所に来たある黒人に対して白人の選挙監視員が、「おまえ のような元犯罪者には選挙権はないんだよ。」という暴言を吐いたということが物議 をかもしていた。世界中いたるところで差別は存在するのだろうが、アメリカの場合 は問題が根深いなと痛感した。

では今日はこのへんで。

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